コラム

従業員10人未満の会社を設立する時

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会社設立時には、税務署や地方自治体に税務に関する届出書を提出します。特に従業員10人未満の小さな会社を金銭出資で設立した際の税務上の手続きを説明します。

会社設立時に税務署・地方自治体に提出する届出書

1.税務署に提出する届出書とその提出期限は以下の通りです。
届出書・申請書の名前提出期限
法人設立届出書法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内
青色申告の承認申請書設立の日以後3月以内(※1)
給与支払い事務所等の開設届出書給与支払い事務所開設の日から1カ月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書なし(※2)

※1→設立の日以後3月以内に設立事業年度終了の日が到来する場合には、設立事業年度終了の日

※2→原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用

「法人設立届出書」には以下の添付書類が必要です。

・定款

・設立の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

・株主又は合名会社、合資会社若しくは合同会社の社員、その他法人の出資者の名簿

・設立趣意書(作成している場合)

・設立時における貸借対照表

「青色申告の承認申請書」は、提出が義務付けられている届出書ではありませんが、青色申告の特典があるため、提出しておきたい申請書です。

この申請書を提出した場合、税務署長はその申請に対して承認又は却下の通知をします。ただし、その承認を受けようとする事業年度終了の日までにその通知がない場合には、承認があったものとみなされます。

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」も、同様に、提出義務はないものの提出したい申請書です。通常、給与などから源泉徴収した所得税は、翌月10日までに国に納付しなければなりませんが、従業員数が常時10人未満である事業所については、下記の納期にできます。

・1~6月までの源泉所得税:7月10日

・7~12月までの源泉所得税:翌年1月20日

この申請書についても、税務署長は承認又は却下の通知をすることとなっていますが、その通知がない場合には翌月末日に承認があったものとみなされます。

上記の4つの届出書・申請書については、会社設立Freeeの使用が便利です。利用すれば各書類が自動で作成されます。

2.地方自治体に提出する届出書

税務署のほか、地方自治体にも「法人設立届出書」を提出する必要があります。提出期限は、設置から15日以内です。

提出先は、東京23区の場合は都税事務所のみで大丈夫です。それ以外の場合は道府県税事務所と市町村役所に提出します。

届出書・申請書の提出方法とその留意点

税務署、地方自治体へ提出する届出書・申請書の提出方法は、①持参、②郵送、③電子申告の3パターンが考えられます。

1.持参

税務署・地方自治体へ持参して提出する方法です。提出したことの証として、届出書・申請書の控えを必ず持参し、控えに受領印をもらって持ち帰りましょう。時間のロスの大きい方法です。

2.郵送

税務署・地方自治体への届出書・申請書の提出は、郵送で行うことも可能です。

・控えと切手を貼った返信用封筒も併せて封入し、控えを受領できるようにする

・普通郵便ではなく、簡易書留や配達記録郵便で送る

の2点に気を付けましょう。

3.電子申告

電子申告を行うためには、電子証明書の取得と国税、地方税のそれぞれの電子申告開始の手続きが必要です。詳細は省きますが、必要な手続きは多くあります。