コラム

クラウドファンディングと確定申告 寄附型クラウドファンディング

例年と異なる確定申告の期限も迫ってきました。内容によって、様々な特典もあるクラウドファンディングですが、確定申告が必要ケースもあります。種類も含めて説明します。

本日はクラウドファンディングの種類と寄附型クラウドファンディングについてです。

クラウドファンディングの種類

大きく「非投資型」と「投資型」の二つに分けることができます。

1.非投資型

・寄附型クラウドファンディング

・購入型クラウドファンディング

2.投資型

・貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

・ファンド型クラウドファンディング

・株式型クラウドファンディング

寄附型クラウドファンディング

資金提供者の支援金が税額控除の対象になりうる唯一のクラウドファンディングです。しかしながら、全てが寄附控除の対象ではありません。プロジェクトの寄附先が、認定NPO法人や学校法人など一定の条件を満たしている団体に限ります。

寄附型クラウドファンディングによる控除は、「寄附金控除」か「寄附金特別控除(税額控除)」の2種類があります。実際に計算した上で、確定申告の際にどちらか有利な方を選ぶことが可能です。

寄附金控除を選択した場合の納税額は、次のようになります。

・納税額=課税所得(総収入ー各種諸控除合計[寄附金控除])×税率

寄附金控除は以下の算式で計算します。

・寄附金控除額=(前年1月1日から12月31日までに出資し受領された合計金額)-(2,000円)

なお、寄附金の合計金額は所得金額の40%相当額が限度です。

寄附金特別控除は、算出された納税予定額から一定金額を直接差し引ける「税額控除」で、納税額は以下の通りです。

・納税額=課税所得(総収入-諸控除)×税率-寄附金特別控除

寄附金特別控除は、以下の算式で計算します。

・寄附金特別控除額=(前年1月1日から12月31日までに出資し受領された合計金額2000円)×40%

こちらも合計金額は所得金額の40%が限度です。さらに特別控除額の合計は、所得税額の25%までです。なお100円未満は切り捨てです。

また、寄附金特別控除を利用する場合は、諸控除に寄附金控除を含めることはできません。

寄附金控除を受ける場合の手順

1.必要書類を受け取る

確定申告をして寄附金控除を受けるためには、確定申告書に添付する情報の記載された受領書が必要になります。会社員の方であれば、会社から源泉徴収票を受け取っておきます。

2.確定申告書を作成・提出

確定申告書に源泉徴収の内容を転記し、税務署に確定申告書を提出します。寄附金特別控除を受ける場合は「認定NPO法人等寄附金特別控除額の計算証明書」を合わせて提出する必要があります(電子申告の場合不要)。

明日はその他のクラウドファンディングについて説明します。