コラム

RSUの課税とタイミング

自社株を複数回に分けてもらえる権利を付与される制度として、RSU(Restricted Stock Unit)というものがあります。

日本の企業ではまだ導入事例が少ない制度ですが、楽天やメルカリ等が採用しているようです。

今回はRSUの課税について、付与や制限解除のタイミングと同時に見ていきます。

1.会社からRSUが付与される(Grant)

RSUが付与されたタイミングでは、従業員はその株式を売却等することはできません。

この時点では、具体的に利益も発生していないとされ、課税されることもありません。

2.RSUの制限解除(Vest)

一定期間企業で勤務すると、RSUの譲渡制限が解除されます。譲渡制限が解除された時点の株式の時価に対して、給与所得として課税されます。

例:1月30日に譲渡制限が解除された。株価は200ドル、株式数は100株、為替レートは110。

200ドル×100株×110=2,200,000円が時価相当額。

3.取得した株式の譲渡(Sell)

RSU制度により取得した株式を譲渡した場合、売却金額と取得価額との差額が譲渡所得として課税されます。

例:制限解除時点で2,200,000円だった株式を2月1日に全て売却した。株価は250ドル、株式数は100株、為替レートは115。

取得価額:2,200,000円

売却金額:250ドル×100株×115=2,875,000円

となり、2,875,000円から2,200,000円を差し引いた675,000円に対して課税。

簡単にではありますが、RSUの課税について説明いたしました。

日本法人からの給与は年末調整されていると思われますが、外国親法人からのRSUについては年末調整されていないかもしれません。

給与として、源泉徴収されている外資系もありますので、注意が必要です。

年末調整されない場合は、確定申告が必要です。RSUの確定申告に関しては、上記の例の様に、権利取得時の株価を求める、基準レートを確認するといった作業も必要です。

お困りの際は弊所含めて相談いただけると幸いです。