コラム

税務調査の武勇伝の信憑性 信じるのはほどほどに

「税務署から色々言われたものの、税務調査を上手く乗り切りました」

といった話を実際に耳にすることや、インターネットの記事で目にすることがあります。

基本的にはこの手の話は過信し過ぎない方がいいでしょう。

税務調査は調査官によって差がある

税務調査を行う調査官には若手もいればベテランもいます。

不正を見つけることに長けた調査官もいれば、そうでない調査官もいます。

出世をしたいと熱意に溢れた調査官もいれば、モチベーションの低下した調査官もいます。

税務調査は税法に基づいて行われます。しかしながら、調査するのは現場の人間であり、

税務調査は担当の調査官によって多少な違いが生じるのが現実です。

税務調査は交渉の一種

税務調査関連の話で、経費になるかならないかで調査官と交渉して経費にしたというものがあります。

ここでの経費になるかならないかは、事業に関連しているものかどうかが関係しています。

単純にレシートだけでは判断できないので、同じ飲食代でも、誰と飲食したかで事業との関係が決まります。

得意先などの仕事に関係がある人との飲食代であれば経費です。

税務調査の状況によっても、論点になるかならないかの違いが生じます。

規模の大きい会社であれば、金額の小さいところに時間をかけるのは費用対効果が悪いので、小さいミスを指摘されることはほぼありません。

それに対して、個人相手の税務調査であれば、飲食代にプライベートなものが入っているかどうかといった、より細かい部分が税務調査での論点になります。

税務調査官も人ですから、納税者の対応が悪いと厳格に調査が行われ、納税者の対応がいいと、大目に見てもらうということもあるでしょう。

上手に説明すれば、経費かどうか微妙なところも経費として納得してもらえますし、説明が下手だと事業に関連するものまでプライベートな支出と疑われることもあるでしょう。

人間、都合のいい話を信じたくなる部分はあると思いますが、前述したように調査官もそれぞれ違いがあります。

都合のいい話だけを盲信するのは危険です。

疑問点がございましたら、弊所まで相談いただけると幸いです。