コラム

税務調査と税理士

「税務調査はうちには関係ない」と考える方は意外に多いようです。しかしながら、赤字申告法人にも税務調査はやってきます。

調査官は不正を探している

1.調査官の一番の仕事は不正を見つけること

国や地方自治体は税金で成り立っています。不正をして税金を納めていない方がいるのであれば、税金をとらないと不公平です。

真面目に納税している人が損をする社会であってはいけません。

2.不正は見つかるもの

しかしながら、誰しも税金はなるべく払いたくはありません。プライベートの支出はよく会社の経費にされます。

調査官もそういった心理を把握していますので、当然のように不正は見つかります。

現金商売の飲食店で売上金を除外しても、やはり不正は見つかるでしょう。

そのお店の客単価、客数が分かれば売上の見積もりは可能です。

税務調査に強い税理士の選び方

1.税務調査の一番の見方は税理士

税務調査官と税金の素人である経営者が対峙する税務調査では、経営者は圧倒的に不利です。

調査官の言いなりになってしまえば、本来不正でないはずのものが不正にされてしまう可能性すらあります。

不正を見つけるのが調査官の仕事であり、なるべく不正を多く見つけたいというのが調査官の心情です。

税務調査があった時には、必ず税理士にも立ち会ってもらうようにしましょう。

裁判において相手が弁護士をつけてきた際、こちらも弁護士をつけるようなイメージで考えてもらえればいいと思います。

2.税務調査に弱い税理士

税務調査に弱い税理士は以下の様な税理士です。

・税務の知識が不足している

・調査官の言いなりになってしまう

・調査官に対して敵対的な態度や高圧的な態度をとる

税理士とはいっても残念ながら、知識が不足している方がいます。

毎年の税制改正についていけてない方や税法を大して学ばずに税理士になった方、試験に合格したもののうまく使いこなせていない方は一定数います。

税法に詳しくてもお客様は獲得できないので、売上を増やすには税法の勉強よりも営業戦略やマーケティング戦略の方に目が行ってしまうとい税理士側の事情もあります。

調査官に対して「敵対的な態度や高圧的な態度をとる」というのは最悪です。調査官も人間です。

不快な対応をされたら、こじれないはずの税務調査がこじれてしまうということが起きてしまいます。

人と人との交渉事なのですから、きちんとしたマナーをもって調査官と接することが大切です。

3.税務調査に強い税理士

上記とは逆に税務調査で選びたいのは以下の様な税理士です。

・経費にできないものをしっかりと教えてくれる

・細かいところまで行き届いた処理をしている

・ビジネスを理解しようと努める

プライベートな支出を快く経費としてくれる、なんていう税理士は気を付けましょう。税務調査の際に責任を取ってくれる可能性はないでしょう。

細かいところまで行き届いた処理をしていると、面倒に思うこともあるでしょう。しかしながら、細かいところまで行き届いた処理は、調査官にも「真面目にしっかりやっている会社」という点から好印象です。

ビジネスの理解という点ですが、これは意外と難しいものです。税理士は税金のプロではあっても、業界ごとの知識ではお客様に到底かないません。それを自覚して、お客様のビジネスをしっかり学ぼうという姿勢が税理士には大切になります。

最後に手前味噌ではありますが、弊所は税務調査の立会経験も多く有しております。

選択肢の一つとして考慮いただけると幸いです。