コラム

新社会人になるまでに押さえておきたい給与明細の見方

新社会人になって初めての給与明細には誰しも感慨深いものがあると思います。

アルバイトの給与明細と比べて項目が多いことがあるので、慣れてくると手取りにしか興味がなくなってしまいがちです。

入社まで時間があるかとは思いますが、今のうちに見方を押さえておきましょう。

給与明細の見方

大きく分けて、「勤怠」、「支給」、「控除」の3つです。

1.「勤怠」の見方

会社により異なるでしょうが、主に次のような項目が記載されます。

・出勤日数

・労働時間

・時間外労働時間

・休日労働時間

・深夜労働時間

・有休残日数

新社会人であれば多くの場合、残業手当が支給されるでしょう。

「時間外労働時間」、「休日労働時間」、「深夜労働時間」が残業手当に直結しますので、自分でも確認するようにしましょう。

2.「支給」の見方

「支給」は文字通り給与の支給額を意味します。

例としては

・基本給

・家族手当

・住宅手当

・残業手当

・通勤手当

等です。

「残業手当」はこの中で間違えられる可能性が高いです。「勤怠」でチェックした各種労働時間に基づいているか確認しましょう。

残業代は下表の割合以上の割増率で支給される必要があります。割増率もチェックしましょう。

残業の種類割増率
法定外労働25%
法定外労働(1月60時間を超える部分)50%
法定外労働+深夜労働50%
法定外労働+深夜労働(1月60時間を超える部分)75%
休日労働(法定休日での労働)35%
休日労働+深夜労働60%
3.控除の見方

控除の項目は主に下記の通りです。

・健康保険

・介護保険(40歳~64歳のみ対象)

・厚生年金

・雇用保険料

・所得税

・住民税

「健康保険」、「介護保険」、「厚生年金」、「雇用保険料」はいずれも社会保険料というものであり、会社は従業員を必ず健康保険や厚生年金に加入させなければなりません。

標準報酬月額は基本的には4月から6月の給与を基にして計算します。

料率変更は健康保険、介護保険については4月支給の給与、厚生年金については10月支給の給与のタイミング(翌月控除の場合)です。

所得税は個人の1年の所得に対して課税されます。1月から12月までの所得を合算して正確な税額を計算します。会社員の場合、その年の最後に年末調整という手続きを行い1年間の所得税を確定させます。

年末調整で計算できる所得税の金額は限定的です。年10万円以上の医療費を払った時の医療費控除やふるさと納税などの寄付金控除、住宅を取得した年に受ける住宅ローン控除などの適用を受けるには、確定申告をする必要があります。2カ所以上から給与をもらっている場合も年末調整では正確な所得税の計算はできませんから、確定申告をする義務があります。

住民税は前の年の所得を基準に決定され、その金額は6月から翌年5月まで分割して給与から天引きされます。こちらは所得税とは違って確定額です。

新社会人の場合、学生時代に働き過ぎていることがなければ、住民税の天引きは翌年の6月からです。一時的に手取りが減ってしまうので注意しましょう。

「給与明細は最低2年間保存」しましょう。未払い残業代を請求する際の時効は2年間です。

そもそも給与明細がもらえない会社に就職してしまった際は、転職を考えてもいいかもしれません。正社員ではなく業務委託としての契約の可能性があります。