コラム

新型コロナウイルス禍の中間納付 中間申告の内容と方法

2020年11月現在、依然として世界規模で新型コロナウイルスの影響が続いております。

新型コロナウイルス感染症への施策(融資、持続化給付金、感染防止協力金、雇用調整助成金等)も打ち出されており、もう既に利用された方が多いかと思います。

2回に分けて、その中でも基本的な中間申告の内容や方法と、新型コロナウイルスの影響で中間申告による納税が難しい場合の対処法を説明します。

今回はまず、中間申告の内容と方法についてです。

中間申告

法人税や消費税において、前記に一定以上の納税額がある場合、事業年度の途中で、

中間申告を行って税金の前払いをする制度があります。

それぞれ申告及び納付期限は以下の通りです。

1.法人税の場合

事業年度開始から6カ月を経過した日を基準として2カ月以内に中間申告及び納付。

2.消費税の場合

前記納税実績により、中間納付の回数が年に1回、3回、11回のいずれかになります。

それぞれの申告及び納付期限は以下の通りです。なお、例として決算は3月を想定しています。

・年1回:9月末の翌日から2カ月以内

・年3回:6月末、9月末、12月末からそれぞれ2月以内

・年11回:1回目と2回目は6月末、それ以降は毎月月末(11回目の納付は翌年4月末が期限)

中間申告の方法

以下の2つの方法があります。

1.前記の納税実績に応じて納税

法人税でこの方法を採用した場合、納税額の算式は、

前事業年度の確定法人税額÷前事業年度の月数×6=中間納付する額です。

注意点として、「算式の通りに前から順番に計算を行わなくてはならない」ので、

前事業年度確定法人税額が50万円であれば、

50万円÷前事業年度の月数12カ月≒4万1,666円

4万1,666円×6=24万9,996円を百円未満切り捨てした24万9,900円が中間納付する額です。

消費税の場合は、前記納税実績により中間納付の中間納付の回数が年に1回、3回、11回のいずれかになり納税額は、

・年1回の場合:前期の納税額×6/12

・年3回の場合:前期の納税額×3/12

・年11回の場合:前期の納税額×1/12

です。

2.仮計算を行って納税

前期は好調だったものの、当期は前期よりも業績がかなり悪化しているという場合、

前期の納税実績に基づいて納税をすると資金繰りの面で厳しいということがあります。

そのような状況で採用することができるのが、仮決算を行って納税する方法です。

法人税であれば事業年度開始の日から6カ月間の期間を基準として税金計算の仮計算を行います。

消費税であれば以下の通りに区切って仮計算を行います。なお、今回も例として決算は3月を想定しています。

・年1回の場合:4月から9月

・年2回の場合:4月から6月、7月から9月、10月から12月

・年11回の場合:毎月

「仮」の文字こそついているものの、通常の確定申告と同様の手続きで税額計算を行うため、時間と作業負担のデメリットは大きいです。

業績の悪化が著しい場合等に有力な選択肢になります。

以上、基本的な中間納付の概要を説明しました。次回は新型コロナウイルスの影響で中間申告による納税が難しい場合の対処法を説明します。