コラム

合計所得金額を算出するために 退職金・不動産・株式投資等

前回の記事で各所得の計算方法を説明しました。

今回は前回説明できなかった項目、確定申告書Bの⑨(確定申告書Aの⑤)にプラスしなければならない項目と、その他の注意事項について説明します。

○退職所得→(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2=所得額

退職所得は「分離課税」で、総合課税の給与や年金とは別の「分離課税用・第3表」という用紙で計算をします。

計算には上記の式を使用します。

退職所得控除額は

・勤続年数20年以下→40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)

・勤続年数20年超→800万円+70万円×(勤続年数-20年)

となります。

また、役員としての勤続年数が5年以下の場合は、退職所得でよく出てくる×1/2の計算は適用されません。

○不動産を売却した場合

総合譲渡所得を算出することが必要になります。計算方法は、前回の記事を参照いただけると幸いです。

注意点としては、不動産の売却に対して譲渡所得が生じた際、所得を減額する「特別控除」が使用可能なことがあります。

この特別控除を使用することで残額が存在しない場合、課税されることはないものの、「合計所得金額には特別控除使用の金額を記載」します。

○株式投資の収入

1.所得額を加える必要がない場合

・配当所得のうち源泉分離課税されるもの

・源泉徴収選択口座を通じて行った上場株式等の譲渡による所得等で確定申告をしない選択をしたもの

2.所得額を加える必要がある場合

・配当について総合課税での申告を選択

・株式の譲渡について他の口座での譲渡損益と相殺する目的確定申告をした場合

この場合で、申告した株式の譲渡所得等について、前年以前の損失を繰越控除している場合には、繰越控除前の所得を使用して「合計所得金額を計算」します。

○非課税収入は「合計所得金額に加えない」

非課税とされるものとして、例えば以下のものが考えられます。

・自分や配偶者等が生活に使う家具、衣服等の譲渡による所得

・遺族年金

・宝くじの当せん金

・雇用保険

・健康保険

・生活保護のための給付

前回の記事も含めて合計所得金額算出のための説明を行いました。

前回も含めて何度か記載したように、「収入と所得はイコ-ルではない」というところが重要になってきます。

その他個別の案件でお困りの点があれば弊所まで相談いただけると幸いです。