コラム

いろいろな減価償却資産 ドローンの耐用年数

減価償却資産の耐用年数を調べるにあたって不明な点があれば、国税庁の通達を参考にすることになるかと思います。

しかしながら、特殊な償却資産に関しては判断に迷うこともあるでしょう。

今回は一例としてドローンの耐用年数について説明します。

国税庁の質疑応答事例

国税庁の質疑応答事例にドローンの耐用年数に関する事例が存在します。

照会内容は、建設業を営む会社が取得した空撮専用ドローンの耐用年数です。

また、ドローンの概要は以下の通りです。

・構造→樹脂製。人は乗れない構造で、航空法上の「無人航空機」に該当。空撮専用の仕様(カメラの着脱は可能)

・寸法及び重量→100cm/10kg

・用途→空撮した画像を解析ソフトに落とし込み、施工時の無人重機の動作制御や施工結果の確認等のために使用

・価格→60万円

・その他→モーターを動力とし、1回の飛行可能時間は30分程度

国税庁リンク(空撮専用ドローンの耐用年数|国税庁)

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/05/13.htm

上記を踏まえた結果、空撮専用ドローンの耐用年数省令の取扱いは、

「器具及び備品」の「4 光学機器及び写真製作機器」に掲げる「カメラ」に該当

耐用年数:5年とのことです。

理由としては以下の通りです。

・耐用年数省令上の「航空機」は、「人が乗って航空の用に供することができる飛行機」と解され、人が乗れないドローンは「航空機」に該当しない。

・照会事例のドローンは、空中から写真撮影をすることを主たる目的としている。つまり、写真撮影機能に移動手段を取り付けたもの。

この場合、税法上の考え方はカメラ付きドローンではなく、「ドローン付きカメラ」だと考えられます。

空撮が目的ではないドローンの場合は?

世間には空撮が目的ではないドローンも存在します。

有名なところで言えば、農薬散布用や開発研究用のものでしょうか。

上記の質疑応答事例から、「ドローンの耐用年数はその用途によって決まる」とも考えられます。

・農薬散布用であれば、「機械装置」の「25農業用設備」に該当し、耐用年数は7年

・開発研究用であれば、その資産の種類に応じ7年または4年という分類になるかと思います。

ドローンを利用した宅配などの話もあり、その用途はますます広がっていくと思われます。

安易に「ドローンだから耐用年数は5年」とせず、用途によって判断を行い、耐用年数を決定しましょう。