新型コロナウイルス禍の中間納付 中間納付が困難なときの対処法

前回の記事で中間申告の内容と方法について説明しました。
今回は新型コロナウイルスの影響で中間申告による納税が難しい場合の対処法を説明します。
中間申告による納税が難しい場合
新型コロナウイルス感染症のために資金繰りが悪化している場合、中間申告による納税対策として、以下の3つが考えられます。
1.前期納税実績に基づく中間納付額の納税猶予を受ける
2.仮決算を行って中間申告・納付を行う
3.仮決算を行って中間申告を行い、さらに、中間納付額の納税猶予を受ける
前記納税実績に基づく中間納付額の納税猶予を受ける
資金繰りの都合で納税資金に窮している場合、納税猶予の制度を利用し、納税を遅らせることができます。
通常は延滞税がかかるのですが、昨今の状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の影響による場合には、「延滞税なし、担保不要」の納税猶予制度の特例が設けられました。
仮決算が中間申告期限に間に合わない場合
中間申告の期限までに中間申告を行わない場合、前期実績に基づいて中間申告があったものとみなされます。
しかし、今回のコロナウイルス感染症の影響により申告期限までに仮決算による中間申告が行うことが困難な場合には、申告期限の延長が認められることになりました。
申告書の余白やe-Taxの添付書類送付書などを利用して「新型コロナウイルスによる申告・納付期限の延長申請」をすることにより、本来の申告期限後に仮決算による申告をした場合でも仮決算ができることになったのです。
実際にどうするのがベストか
実際には下記の3パターンのいずれかによって変わってくると考えられます。
・すぐに現預金が枯渇する場合
→仮決算を行う手間、従業員の残業代、仮決算を依頼することによる報酬などもかけたくないところですので、上記1を選ぶべきでしょう。
・現預金が十分にある場合
→条件を満たすのは難しいため、上記2の仮決算を行って中間申告・納付を行うことで中間納付額を減らすしかないでしょう。
・現時点では納税資金はあるものの、この状態が続くと経営が行き詰るため、延ばせる支払は何とかして伸ばしたい場合
→上記1を選択したら税務署から特例の申請が却下されてしまい延滞税が発生ということは避けたいものです。そのリスクを感じるのであれば、たとえ延滞税がかかってしまったとしてもその金額が少なく済むように上記3の選択肢をとるというのもありでしょう。
以上、2回に分けて中間申告とその対処法について説明しました。
お困りの際は弊所まで相談いただけると幸いです。