SuicaやPASMOのチャージ代
税務調査において、SuicaやPASMOなど(以下、電子マネーとする)のチャージ代をどう処理しているか確認されるケースが増えてきているようです。
通常、チャージ代の領収書を経費としている場合が多いですが、経費として認められない可能性があるので注意しましょう。
今回はチャージ代が認められない理由や税務調査で狙われる理由等を説明します。
電子マネーのチャージ代は経費として認められるか
チャージしただけでは、電車代以外にもチャージをしたデポジットは、コンビニ、本屋、自販機等多種多様な場所で支払い手段として使うことができますので、チャージした時点では実態がまるで分からないため「経費として認められません」
「現金を預金口座に入金して普通預金にした」のと同じ取扱いです。
税務調査で電子マネーのチャージ代が狙われるポイント
1.何でも買える
チャージ代を全て「旅費交通費」で処理しているにもかかわらず、プライベートで使っているのであれば、会社の経費の使い込みを許すのと同じことです。
2.二重計上できる
やってはいけないことではありますが、経費を過剰につけようとするならば、
・電子マネーのチャージ代を交通費として経費に入れる
・電子マネーを使って支払った経費のレシートや領収書を経費に入れる
等でチャージ代と購入時の領収書等で経費を二重計上できます。
3.明細保存がない
何度も記載しておりますが、チャージ代はいろいろなものの決済手段になるため、チャージ代の領収書自体は証拠書類になりません。
利用履歴の印字は100件までなので、こまめに印字するようにしましょう。
4.チャージ代が経費になると勘違いしている専門家がいる
電子マネーのチャージ代=電車賃というイメージが抜けず、間違ったアドバイスをする専門家がいるようです。
5.重加算税になる場合がある
チャージ代を、
・故意に二重計上している
・証拠書類を破棄して証拠隠滅している
とみなされた場合、過少申告加算税に代わり、最悪、隠ぺい・仮装が認定されて、重加算税が課されます。
電子マネーのチャージ代を経費にする方法
上記を踏まえて、大きく二つの場合がありますのでそれぞれ説明します。
1.電子マネーを旅費交通費専用としてのみ使用する場合
この場合の仕訳はチャージ単位で問題ありませんが以下の3点に気を付けてください。
・旅費交通費以外に使用しない
・期首と期末で誤差がないようにする(期末で残額を棚卸をするというのが効果的です)
・履歴を残す
電子マネーの利用を記帳しなくていいというメリットがあります。
2.電子マネーを旅費交通費以外でも使用する場合
チャージ分の仕訳に加えて利用分の仕訳が必要になります。
また、チャージした際の借方の勘定科目は「貯蔵品」か「仮払金」とします。
履歴も残すようにしましょう。
以上、電子マネーについて説明しました。
電子マネーを交通費以外で使用すると仕訳が複雑になるため、電子マネーは交通費専用で使い、その他の支払いは法人カードの使用をおすすめします。
また、どのような使い方をするにせよ、電子マネーを使用する際は履歴を残すようにしましょう。