コラム

社員への食事代の補助

会社から社員への食事代の負担は、内容によって税務上の取扱いが異なります。

福利厚生費とされる場合には支給対象となる社員では課税は生じませんが、給与とされる場合には支給対象となる社員に給与課税が生じます。

会社で福利厚生費として処理していて、税務調査で給与認定を受けた場合には、会社側では源泉所得税の徴収漏れ、従業員側では給与認定を受けて追徴課税という痛手を被ってしまいます。

会社が負担する社員の食事代は給与課税が原則

就業時間が朝から夕方までという場合で、ランチタイムの食事代を常に会社が負担しているような際、その食事代の扱いは給与です。

休憩時間中の社員の食事代は、個人で負担するというのが一般的ですので、これを会社が負担するような場合、原則は給与扱いです。

福利厚生費となる食事代

1.残業している社員に対する食事代

残業している社員へ支給する食事代は、通常の範囲内の金額であれば、給与課税しなくてよいものとされています。しかしながら、金銭での支給は課税対象となってしまいます。

会社側で外食やコンビニでの弁当代等の領収書を保管するなどして、現物支給であることを説明できるようにしておきましょう。

朝型勤務の朝食代も福利厚生費として処理することが可能でしょう。就業時間外の業務である点では、朝も夜も変わりありません。

したがって、就業時間外である早朝に勤務している社員を対象に朝食を提供することは、夜に残業している社員へ食事を提供することと取扱いは同じだと考えられます。

2.福利厚生の一環として食事代の一部を補助

昼食代の一部を補助するような場合、下記のいずれかの要件を満たすことができれば、福利厚生費とすることが可能です。

・支給した食事代の50%以上を役員または使用人から実際に徴収している

・会社が負担している金額が月額3500円以下である

方法としてはチケットレストランがおすすめです。食事の支給の方法としては、食堂での支給、仕出し弁当の購入に比べて、小規模な事業者でも容易に取り入れることが可能です。

決まった額の食事券を会社が購入し、食事券代の半分以上を従業員から徴収するというような運用方法にします。

チケットレストランでは、会社が福利厚生費として処理できるよう、その利用は本人限定、食事のみ利用可能、アルコールは不可といった使用条件が設定されていますので、福利厚生制度として導入しやすいといえるでしょう。

なお、昼食代の一部補助をクオカードでの配布にしてしまうと、

・使途が食事に限定されない

・使途について会社側で管理できない

・チケットショップなどで容易に換金可能

等の理由から、税務調査で福利厚生費としての処理が否認され、給与課税されるリスクが高くなってしまいます。