コラム

期限を過ぎても確定申告はできる

以前の記事で令和2年分の確定申告期限が4月15日であることをお伝えしました。

とはいえ、それでも申告期限までに間に合わない場合は、どうするのがよいのか説明します。

所得税の還付を受ける

結論から申し上げますと、申告期限後に確定申告を行うことも可能です。

医療費控除や年末調整に、国民健康保険料や生命保険の控除等を入れ忘れたとしても、

申告して所得税の還付を受けることが可能です。

諦めずに確定申告しましょう。

時効は確定申告期限から5年です。現在(令和3年)であれば、平成27年分以降の確定申告ができます。

個人事業主が確定申告で所得税を納付する

1.無申告加算税等のペナルティがある

期限後申告の場合、通常の所得税の他に無申告加算税が課されます。

期限後申告の日の前日から5年以内に、期限後申告や重加算税が課されたことがある場合には、その税率は10%加算され、50万円以内であれば25%、50万円を超える部分は30%です。

また、税金の納付が遅れると、さらに延滞税も課されます。

しかしながら、確定申告期限から1か月以内に自主的に期限後申告を行い、期限内申告をする意思があったとされる次のいずれも満たす場合には、無申告加算税は課されません。

・その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を確定申告の期限である3月15日(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付している

・その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていない

さらに、上記に該当しない場合でも、税務調査前に自主的に期限後申告を行った場合には、無申告加算税は5%に軽減されます。

2.青色申告特別控除が10万円になる

65万円の青色申告特別控除の適用が可能な個人事業主であっても、期限後申告の場合は、青色申告特別控除額が10万円になります。

3.やむを得ない理由があれば期限後でも期限内申告になる

「災害などでどうしても期限内に申告できない」といった場合、期限内申告と同様に扱うという規定があります。

やむを得ない理由というのは、よっぽどの状況でないと認められません。

入院しているような場合でも、「電話できるような状況であれば期限内に申告できる」、とみなされるようです。

原則は期限内申告

所得税の納付がある場合、無申告加算税のデメリットが大きいので、期限内申告は必須です。

還付の場合、多くの方は、実害はないかと思います。

同じ還付の場合の申告であっても、住宅ローン減税の適用を受ける場合、所得税では期限後で還付を受けることができても、所得税で控除しきれなかった税額を住民税から控除しようとする場合には、期限後申告のものについては取り戻すことができなくなります。

決められた申告期限を守るのに越したことはありません。