電子申告の方法やコスト、メリットとデメリット
電子申告を行うためには、電子証明書とカードリーダーが必要です。
お金がかかることもあり、面倒に感じる方もいらっしゃると思います。
紙で提出した際の「受領印」による安心感は、電子申告に勝る点かもしれません。
実際に電子申告を選択しない方もおられますが、本日は電子申告について説明します。
電子証明書のコスト
1.電子証明書の発行手数料
法人の場合、電子証明書の発行には手数料が発生します。法務局で発行した場合の発行手数料は、3カ月で2,500円、12カ月で7,900円、27カ月で16,900円です。
個人の場合、マイナンバーカードの交付手数料は無料です。
それどころか、現在はマイナンバーカードを使用してのマイナポイント付与がありますので、
交付のメリットは、電子申告以外の面でも大きいと思われます。
2.ICカードリーダーライタ
法人の場合、CD-Rに保存した電子証明書を会社のサーバーで保存することになるため、ICカードリーダーライタは不要です。
個人の場合、マイナンバーカードを読み込むためのICカードリーダーライタが必要です。
商品により値段は異なりますが、安いものであれば2千円程度で入手できるでしょう。
多少値は張りますが、物によってはsuicaやpasmo等のカードの残額を読み取ることができるものもあります。これを機会に購入を検討してみるのもいいかもしれません。
電子申告・電子申請のコスト
1.法人の場合
e-Taxソフトを使うことが可能ですが、使い勝手に劣ると言わざるを得ません。
前年度の繰り越しができない、市販ソフトであれば転記、合計してくれる部分を手入力する必要がある、別表間の連動が不十分、というデメリットがあります。
メーカーにより値段は異なりますが、電子申告を行うのには追加で数万円かかります。
2.個人の場合
国税庁のホームページから入手できるe-Taxソフトを使用して、電子申告・電子申請のソフトが無料で入手できます。
個人の確定申告の場合、国税庁のホームページの確定申告書作成コーナーでの作成も可能です。
それでも電子申告がいいと考えられる理由
電子申告をするのには、電子証明書の取得から申告ソフトまでお金がかかります。
それでも電子申告がいいと考えられる理由は以下の通りです。
・紙で申告する場合、提出用、お客様控、会計事務所控で最低3部の印刷が必要で、印刷漏れがないかどうか等のチェックなど時間がかかる
・税理士が自署押印し、お客様の代表者が自署押印し提出するので、署名と押印のためにお客様との申告書の受け渡しが必要で手間がかかる(電子申告の場合、税理士の電子署名のみで提出が可能)
・申告書提出後、お客様にすぐに成果物である確定申告書等をPDFで送ることができる
・万が一申告書に誤りがあった場合、もう一度送信し直せばよい
・個人の確定申告の場合、源泉徴収票、生命保険料控除の証明書、医療費の領収書の添付が不要
上記の点以外では、税金の還付が早く受けられるといったメリットもありますが、一番のメリットは労働コストが抑えられる点ではないでしょうか。
また、現在はコロナ禍の影響もあるため、他人との接触を避けられる点もメリットです。
この記事をお読みの方は、最初は紙での提出の方が早いこともあるとお考えかもしれません。
しかしながら、慣れてしまえば上記のようなメリットがあるため、決して損にはならないと考えます。