コラム
確定拠出年金とは? 個人年金保険との比較等
昨日はDC(確定拠出年金のこと)の概要に加えて、特に個人型DCについて説明しました。
個人年金保険との比較と企業型DCについて説明します。
個人年金保険との比較
個人型DCの掛け金も保険で運用することが可能です。この両者の比較は下記の通りです。
個人年金保険 | 個人型DC | |
所得控除額 | 年間上限4万円 (8万円以上保険料を支払った場合) | 掛金の金額 |
メリット | 元本割れする可能性は高いが、途中解約による解約返戻金の受取が可能 | 節税効果は大きい |
デメリット | 節税効果は小さい | 60歳まで引き出し不可 |
60歳まで引き出しが不可というデメリットを除けば、老後への備えとしては個人年金保険よりもまずは個人型DCに加入すべきと言えるでしょう。
個人型DCの掛け金が上限に達し、さらに老後のために備えておきたいというときに個人年金保険を検討するとよいでしょう。
企業型DC
1.マッチング拠出
企業型DCの場合、その規約によっては会社負担分のほかに従業員が上乗せして掛け金を拠出するというマッチング拠出という制度が利用可能な場合があります。小規模企業共済等掛金控除の対象となり、その全額を所得から控除することが可能です。そして、社会保険料控除と同様、年末調整で考慮されますから、確定申告も不要です。
マッチング拠出の制度があるという方は、やはり保険会社の個人年金保険よりもまずはマッチング拠出をしましょう。
2.会社が負担した掛金は経費になる
会社が負担した企業型DCの掛け金は会社の経費です。確定給付型の年金制度とは異なり、運用の悪化による年金の積み立て不足分を会社が追加拠出するというリスクもありません。運用は加入者自身の責任ですので、会社が行うべきことは社員へ投資に対する教育です。(通常、運営会社が行ってくれると思います)
確定拠出型年金制度は、節税効果が高いにもかかわらず、まだまだ十分普及していないように感じます。投資に慣れていない場合、手を出しにくいというのかもしれません。しかしながら、この制度は実は預金や保険でも運用が可能です。投資に抵抗のある方は、まずは預金や保険への運用で確定拠出年金制度を始めてみるとよいでしょう。