日本政策金融公庫 創業融資審査のポイント④(創業計画書の妥当性)
日本政策金融公庫 創業融資審査のポイントを複数回に分けてお送りします。
審査のポイントは、政策金融金庫内のマニュアルに基づきます。今日は、最終回の創業計画の妥当性についてお話をします。
設備資金…必要最低限で抑える
設備資金は、土地・建物(内装工事等を含む)、自動車、器具備品、入居保証金などの資産計上する資金があげられます。
これらの着眼点は、
①利益に貢献するものかどうか、
②「欲しいモノ」か「必要なモノ」の区別ができているかどうか、
③中古ではだめないのか。
という点があります。
運転資金…ゆとりを持たせる
運転資金は、人件費・経費などの支払や商品仕入れなどに使用するための手元に置いておく資金があげられます。
これらの着眼点は、
①黒字企業でも黒字化までに平均6.8か月(※)かかるため、余剰資金があるかどうか ※ 日本公庫 総合研究所「2016年新規開業白書」
②取引条件などから必要な金額を計算しているかどうか
③自己資金を有効に活用できているかどうか
具体的な計算式
① つなぎ資金…軌道に乗るまでの赤字補てん資金
② 運転資金…売上、原価の変動及び改修、支払の条件によって必要となる資金
③ その他資金…軌道に乗るまでの借入金返済、税金、配当などで必要な資金
④設備資金…店舗、生産設備、什器備品などの固定資産の取得資産
上記の①~④を合わせて、創業時に必要な資金になります。
資金ショートを防ぐために
資金ショートを防ぐためには、融資金額(必要な運転資金)についての理解が必要不可欠です。
具体的には、
①売上高、原価率、在庫高、取引条件を面接及び創業計画書から把握する
②お客様は、自分の会社をどのように思っているのか(温度感)
の把握が必要です。
また、ビジネスプランからの検討方法もあります。
具体的には、以下の算式で求めることができます。
(販売からの回収月数+仕入れからの販売月数–仕入れからの支払月数×原価率)×月商(軌道に乗った時の月商)=運転資本