売上を計上する基準 請負契約の場合
昨日と今日で売上を認識すべきタイミングを説明します。
昨日は製品や商品を販売した場合について触れましたが、今日は請負契約の場合について触れたいと思います。
請負契約の場合
請負の内容が建設、造船などの工事の場合のその工事の引渡し日は、具体的には下記の通りです。
・作業を決了した日
・相手方の受入場所へ搬入した日
・相手方が検収を完了した日
・相手方において使用収益ができることとなった日
その工事の種類、性質、契約内容などに応じて、その引渡しの日として合理的と認められる日を継続して売上計上日とします。
決算日に工事代金の額が確定していない場合、商品や製品の販売と同様、適正な見積額で売上計上し、売上金額の確定時に差額を調整します。
その他、建設業も含めてケースごとに見ていくと以下の通りです。
1.物の引渡しがある場合(建設業など)
物の引渡しがある請負契約の場合には、その全部が完成して相手方に引き渡した日が売上計上日です(工事完成基準)。
建設業で言えば、建設した建物や構築物などが完成し、相手に引き渡した日です。
2.物の引渡しがない場合(運送、設計、測量など)
物の引渡しを要しない請負契約の場合には、その契約に基づく業務の全部が完了した日に売上計上します。
3.着手の日から契約上の引渡し日までの期間が1年以上であり、請負対価が10億円以上の場合
建設やソフトウェアの制作などの請負契約において、着手の日から契約上の引渡し日までの期間が1年以上あり、請負対価が10億円以上の場合、
工事の進捗度に応じて売り上げを計上します(工事進行基準)。
なお、請負価額の2分の1以上が工事の目的物の引渡しの期日から1年を経過する日後に支払われることが定められているものを除きます。
大きく棚卸資産の販売と請負契約の場合に分けて、売上を認識すべきタイミングを説明しました。
決算日の翌月の売上の内容をしっかりチェックしましょう。請求書に決算日前に引渡しを終えたものがないかどうか、納品書や検収書の日付が決算日前のものがないか、確認しましょう。翌々月までしっかりとチェックできればなお良いです。
また、納品書や検収書の日付を改ざんするなど行為はやめましょう。
毎期、出荷した日に売上を計上していたけど、今期は売上が好調で利益が多く出そうだから、得意先が検収した日にしようという恣意的な変更も認められません。