コラム

勤め先に副業が知られる理由と避ける方法

勤め先に副業が知られると困る方ため、一歩踏み出せないという方はおおいのではないでしょうか。

就業規則に副業禁止の記載がある場合でも、法律の観点では勤め先が副業を禁止することや解雇することはできませんが、社内での心証が悪くなることは予想されます。

また、会社に事前に報告をすることが求められており、それを就業規則に書いている例が多いかと思います。副業で雇用関係が発生する場合には、まずもって認められませんので、注意が必要です。

また、SNSでの投稿、飲み会の席で口が滑った、匿名のタレコミなど知られる理由は色々考えられます。

そういったことに気を付けていたが、副業が会社に判明することがあるかと思います。

それは、「確定申告の結果、勤め先が副業の所得があることをつかんだ」からです。

会社に判明する流れを順に追って説明します。

副業が会社に判明する流れ

1.前年の所得を申告し所得税を納付する

2.税務署が申告内容を市区町村に送付する

3.市区町村がそれに基づき住民税を計算する

4.市区町村が住民税額を会社に通知する

5.住民税額が想定より多い(または少ない)ことを会社が知る

6.副業の所得(または損失)があることを知る

とりわけ、上記5.で、住民税額が会社の想定と異なることを会社が知ることが副業判明の原因と言えるでしょう。

具体的にどのようにして知られないようにするのかを説明します。

副業を知られないために

1.住民税に関する事項のチェックをする

副業の所得が年間20万円を超える場合には、当然確定申告をする必要があります。

20万円未満は、そもそも申告をする必要はありません。

その際、確定申告書第二票の「住民税に関する事項」の「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法」という欄があります。

「自分で納付」に「○」をすれば、本業分の住民税に関しては、本業の所得に基づき特別徴収され、副業分の住民税に関しては、自宅に納付書が送付されるので自分で納付します。

会社が予測している住民税よりも多くなり、すぐにわかるということはなくなります。

2.事業所得に赤字がある際、損益通算をあきらめる

上記で「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄で「自分で納付」を選択していたとしても、勤め先には損益通算後の低い所得の住民税の通知が会社に通知されます。すなわち、通知書を見ればわかるということです。

これに対しての対処は「事業所得に赤字がある際、損益通算を諦める(事業の損失をしない)」ことしかありません。

ただ、副業の損失と給与所得を損益通算することで税額を減らすことができるので、それを諦めるのは苦しい所です。

3.住民税の申告書のチェックをする

副業の所得が年間20万円を超える場合についてお話ししました。

しかしながら、「副業が年間20万円を超えていなくても、住民税については別途申告をする必要があります」

所得税の際と同様に、「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法」という欄があります。

「自分で納付」に「○」をしておきましょう。

以上、副業が判明する流れとその対処方法です。基本的な対処としては副業分の住民税額を、自分で納めることが重要です。

先に述べた「事業所得の赤字」等も考慮するのであれば、そもそも副業への承諾を勤め先に求めるというのも一つの手段なのかもしれません。