マンション管理組合のサブリースでの駐車場収入について

マンション管理組合の駐車場賃貸業について以前にお話ししました。
今回はその中でもサブリース(賃料保証)という方法について掘り下げていきます。
まずメリットから説明していきます。
1.毎月一定の賃料が保証される
サブリースでは、駐車場の空き区画を一括して借上げてもらい、借り上げられた駐車場については利用の有無に関わらず、毎月一定の賃料をサブリース会社が保証してくれます。すなわち、収入が確定します。
2.いろいろな手続きを代行してもらえる
その他マンション管理組合に代わって駐車場利用者の募集、契約業務、解約対応、賃料滞納者への督促等、駐車場運営に伴う業務を行います。マンション管理会社も原則関与しませんので、管理会社への委託料が上がることはありません。
3.トラブルへのノウハウがあり対応が可能なことがある
また、そもそも駐車場賃貸業を行う上でデメリットとして付いてくる不特定多数の人間の出入りや、不慣れな外部の人間によるトラブル(例として、昇降横行式の駐車場における、不慣れな使用者による異なる駐車箇所からのトラブル)に対してもノウハウを持っているなどで対応が可能なことがあります。
次にデメリットも説明いたします。
1.収益を上げる手段に乏しい
収入が契約期間中は一定となるため、工夫によって収益を上げるのが難しい点があります。
すなわち、契約期間中は駐車場に空きがない状態になった状態になり、居住者に貸せる場合でも、サブリース会社から返還されないケースが多いため、(サブリース会社からの)賃料に変わりはありません。
2.駐車場の返還に時間が掛かることがある
何か事情が変わって駐車場の返還を希望する際、契約内容によっては返還に時間が掛かる可能性もあります。ただ、近年、3か月程度でサブリース会社から返還されるケースもあり、柔軟に対応してくるケースもあります。
3.賃料が安い
1.に関連しますが、サブリースは一括借り上げのため、マンション居住者への賃料と比べておおむね50-70%程度になるのが通常かと思いますので、賃料が収入が低くなります。
まとめ
以上が簡単なサブリースの仕組みおよびメリットとデメリットになります。
賃料の固定化に着目すると、管理組合主体で行っていくことに比べてどうしても損が目に付きます。
しかしながら、管理組合が主体となって駐車場賃貸業を行うにあたって、利用者の募集や契約、理事間の負担感の調整、意思統一し、実行していくというのは、多大な時間と労力を要します。
特に、空き区画の増加による管理費の赤字解消が急務ということであれば、多少の損失に目をつぶってでもサブリースの利用を行うのも一つの手段ではないでしょうか。