コラム
借入・世代交代のケース

『質問』
家族でお弁当店を父の代から40年営んでいる。形態は個人事業で、近年、ずっと赤字が続いている。
自分も高齢になったので廃業したい。
息子は、お弁当店をやめ、飲食店を開業する夢をもっている。
ただ、銀行借入残が1,500万円ほど残っている。建物は、自宅兼店舗で、一階が店舗、二階が自宅となっている。(当該不動産には、担保付き)
お弁当店を廃業して息子の言うように飲食店を開業するとしたら、銀行にどのように言え
ば良いのか?
『答え』
- お弁当店の廃業と飲食店の開業は別々に考えなければならない。
- 宅兼店舗の不動産価値がいくらなのかを調べる。その価値額と銀行からの借入残の1,500万円とを比較する。
<例>
・自宅兼店舗の不動産価値5,000万円
・銀行の借入残額:1,500万円
・飲食店の開業資金借入可能額:(5,000万円×70%)-1,500万円=2,000万円
- 現在の銀行借入残額1,500万円と飲食店開業借入資金2,000万円の合計3,500万円を5年で返済が可能か否か。支払い利息も含めると極めて難しい。
- 現在のお父様の借入残の1,500万円は、10年間の返済で銀行に交渉する。
可能ならば15年間の交渉を行う。(場合によっては、20年の交渉も可能)
これならば、自宅を失わず自身の年金も一部使用して返済も可能である。また、一階店舗を賃貸する方法もある。
- また、息子様の飲食店は自己資金の範囲で計画すべし。
- まずは、ご自身の夫婦で、安心して生活できる状況を作ることが何よりも大切と感じます。