マンション管理組合の税理士の必要性
マンション管理組合の税理士の必要性ですが、結論から申し上げますと必要なケースが多いので、まずはご相談いただいた方がいいかと思います。
収益事業を行っていると仮定してお話しします。
以前の記事で法人格の有無に関わらず収益事業を行っている場合、法人税が必要なことを説明しました。
その際、何が課税対象で、何が課税対象外なのかを明確にして、適正な税務申告をすることになります。
適正な税務申告を行うにあたっては以下の点が必要になってきます。
1.収益事業かどうかの判定
34業種に分類されるかどうか、継続して行われるかどうか、事業場を設けて行われるかどうかについて、個別事案ごとに検討する。
2.区分所有者及び外部の人間を元に課税関係の判定
駐車場賃貸業を例に挙げると、区分所有者と外部の人間をどう取り扱うかによって課税関係が異なります。個別事案ごとに検討する。
3.収益事業開始届出書の提出
収益事業を開始する際、収益事業を開始した日から2カ月以内に、税務署等へ収益事業開始届出書等を提出が必要になってきます。
4.決算書及び法人税申告書の作成
収益事業に関係する収入と費用から収支を計算、収益事業に係る決算書を作成する。さらに決算書をもとに確定申告書と税金の納付書を作成する。こちらは、毎期ごとに必要なものになります。
5.収益事業の売上高が1,000万円以上の場合には、消費税申告も必要
2年前に収益事業の売上高が1,000万円を超える場合は法人税に加えて消費税の申告と納税が必要になってきます。
6.まとめ
適正な税務申告を行うにあたって、簡単にまとめただけでもこれだけの処理が必要になります。
また、費用算出の際は、収益事業にも非収益事業にも関係する経費について、経費按分についても考慮しなければなりません。
万が一税務申告を行わなかった際は、金銭的なペナルティ発生、ペナルティが発生した際には理事・住民同士の責任の所在についてのトラブル、無申告マンションという話が知れ渡れば、マンション全体の資産価値の低下等のデメリットが予想されます。
もちろん、住民のどなたかが確定申告を行うことは可能ですが、専門知識が必要であり、持ち回りで申告ができるものではないため、専門家の関与が必要不可欠となります。
マンション管理組合における税理士の必要性は、これらの処理の煩雑さとデメリットを考慮した上で検討するのがよろしいかと思います。