コラム

マンション管理組合あての「お尋ね」

マンション管理組合あてに、税務署から「お尋ね」が届くことがあります。

今回はその内容や背景について説明していきます。

以前掲載させていただいた記事と重複する箇所もありますが、ご覧いただけると幸いです。

税務署からの「お尋ね」の内容

まずは「お尋ね」の内容について見ていきます。

内容はおおむね次の通りです。

・収益事業を行っている場合に税務申告が必要であること

・3週間以内に収益事業の状況について回答すること

・回答にあたって決算書を添付すること

・収益事業開始届出書を提出すること

・文書は行政指導であること

上記の通り、文書は行政指導であり、税務調査ではないため、この段階で申告すればより軽い加算税がかかる程度の申告で済みます。

しかしながら、「税務署がお尋ね文書を送る」という対応が今後も続くかどうかは分かりません。(税務署側からのアクションが起きるかどうかは不透明であり、最悪、税務署から税務調査の依頼があるかもしれません。)

収益事業を行っているのであれば、前もって申告するのがよいでしょう。

申告が必要かどうか

携帯電話の基地局収入がある管理組合を例に見てみます。

この場合、法人税の申告は義務です。

難しい話になりますが、登記されていない(管理組合法人でない)、マンション管理組合は税法上、「人格のない社団」です。

法人でこそありませんが、結果として「法人」とみなされ法人税の規定が適用されます。

順を追って説明いたします。

1.マンション管理組合=人格のない社団

次の4つに当てはまる団体は、「人格のない社団」に該当します。

・団体としての組織を備えている

・多数決の原則が採用されている

・構成員が変更しても団体は存続する

・総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定している

マンション管理組合はこれら4つに当てはまるため、「人格のない社団」となります。

2.人格のない社団=みなし法人=法人税法の対象

法人税法第3条に、「人格のない社団等は、法人とみなして、この法律の規定を適用する」とあります。

よって、マンション管理組合は、法人ではありませんが、法人とみなされて、法人税法が適用されます。

3.収益事業から生じた所得に課税

法人税法第5条に、「内国法人に対しては、各事業年度の所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課する」との規定があります。

また、法人税法第7条では「人格のない社団等の各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得については、第5条の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない 」との規定があります。

よって、マンション管理組合の所得のうち、収益事業から生じた所得に対してのみ法人税が課されます。

「お尋ね」が送付される背景

平成25年10月に、国税不服審判所で、マンション管理組合についての裁決がありました。

これは携帯電話会社に対して無線基地局を賃貸し収入を得ていたマンション管理組合が、税務署から、法人税及び無申告加算税の処分を受け、その処分に不服のあるマンション管理組合が処分の取消しを国税不服審判所に求めた事案です。

結論を申し上げますと、国税不服審判所においても、マンション管理組合の主張は認められず、当初の税務署の決定が正しかったと認定されました。

上記の事例は「マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定」という質疑応答事例として、国税庁ホームページに公開があります。

この件により、各地の税務署が、携帯電話の基地局収入のあるマンション管理組合に対して課税する道筋ができたものと考えることができます。

いかがでしょうか。同様の事例に遭遇の際、参考にしていただければと思います。