クラウドファンディングと確定申告 色々なクラウドファンディング
昨日はクラウドファンディングの種類と寄附型クラウドファンディングについて説明しました。
本日はその他のクラウドファンディングについて説明します。
購入型クラウドファンディング
購入型クラウドファンディングは、商品の開発等の資金提供のリターンとして、モノやサービスが提供されるクラウドファンディングです。税法上製品の購入と変わらないと解釈されるので、「資金提供者は税金を納めるという状況になりません。
貸付型(ソーシャルレンディング)
貸付型では、投資家はプロジェクトに対してお金を貸し、その見返りとして利子を受け取ります。プロジェクトが予定通りうまくいくと、利子とあわせて元金が戻ってきます。
ファンド型クラウドファンディング
ファンド型では、クラウドファンディング事業者が投資家から資金を募り、その資金を基にさまざまなビジネスに投資します。その結果得られた利益を投資家へ配当金として分配します。
貸付型及びファンド型クラウドファンディングの分配金は雑所得
所得税法では、貸付型・ファンド型クラウドファンディングの分配金は雑所得に分類されます。そして、雑所得の課税方式は「総合課税」です。
総合課税では、給与所得や不動産所得・事業所得など他の所得と合算した課税所得に、所得税の税率をかけて所得税額を算出します。収入をそれぞれの所得ごとに計算して合算(損益通算)した後、社会保険料控除や基礎控除などの各種控除額を控除した金額に税率を掛けて所得税の計算を行います。
税率は累進課税方式が採用されているので、合計した所得が多ければそれだけ税率も高くなります。所得税に関しては、表にすると次の通りです。住民税は所得計算が異なりますが、おおむね10%となります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
分配金の所得税は源泉徴収されている
ソーシャルレンディングとファンド型クラウドファンディングの分配金は、源泉徴収されています。
総合課税となる所得は、年間の所得を合算してから所得控除(基礎控除・社会保険料控除など)をして税額を計算します。
株式型クラウドファンディングの税金
株式型は未上場企業に投資し、株主になることができます。その企業が配当を出す場合には、配当金が利益です。
また、投資した企業が上場した場合、証券取引所を通じて株式を売却することも可能です。その結果、株式の値上がり益を得られる可能性があります。
以上、クラウドファンディングの種類と税金について説明しました。確定申告前に、ご自身でどのタイプのクラウドファンディングを活用したか確認する必要があります。
お困りの際は、弊所まで相談いただけると幸いです。